曲線を作る直線


今年は季節が進むのが例年より早いんだとか。
確かに道を歩いていると、色とりどりの花が一斉に咲きまるで競い合っているよう。
そんなに急がなくていいんだよー、と思うのは人間の勝手でしょうか。


シャープペンシルは憧れの存在でした。
スマートなフォルム、ノックするとカチカチと音を鳴らして芯が出てくる謎の仕組み、大人の持ち物。
文字を正しく書くためにシャーペンを禁止している学校は多いんだそうです。
私もご多分に漏れず鉛筆で読み書きを指先を真っ黒に汚しながら練習し、持ってはいけないと言われれば言われるほどシャーペンへの想いを強めました。
そんな憧れの君がようやく筆箱の中にお目見えするようになったのは小学校5年生頃です。
でも持ってみるとそこに存在するのが当たり前になる不思議。人間とは勝手です。

しかしいつまでたってもシャーペンの芯に対するあこがれだけは消えませんでした。
ケースに繊細で精密な黒色の線がが整然と納まっている様は群衆美、とでも言いましょうか。
昔テレビで放映していたドミノ倒しのような緊張感のある美しさを感じます。
未だに芯を買うときは気分が高揚し、ケースデザインと併せてしっかり吟味してしまいます。



「2B」と名付けたシリーズはシャーペンから芯が顔を出し身を削りながら描く柔らかな線を表現しています。
きらりとしたK18と黒くぼんやりと輝く鉄のコントラストがポイントのコンビシリーズです。
シンプルなデザインながら緊張感が出るよう接合部にはとても気を遣っています。
リングは一本ですっきりご着用頂いてもいいですし、数本を重ね付けすると一気に上級者のようなこなれ感が出てとても使いやすいです。
一本一本職人の手作りなので、サイズオーダー1号刻みで承れます。
もちろん、ポキポキ折れたりはしませんよ。

シャーペンのように、馴染んで身に着けることが当たり前になりますように。



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でも大人になると、今度は鉛筆が恋しくなったり。
あの柔らかい書き味が、なんともいい味で。
やっぱり人間とは勝手な生き物なのでした。


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