能登でイメージを覆される旅(後)



今回は前回に引き続き、能登の話をします。

トップ画像は「時を運ぶ船」と名付けられたアーティスト塩田千春さんの作品です。
去年珠洲市で行われた奥能登国際芸術祭の出品作で、一部の作品は今でもそのまま残され見学することができます。
奥能登の伝統である塩をのせた船と部屋全体を無数の真っ赤な毛糸がつなぐインパクトのある作品でした。



この展示、以前は保育所、それより以前は小学校だった建物の教室内に作られています。
保育所は既に無くなっていますが壁にはいまだに児童憲章が。



廃校の中でみる今は見ることができない塩を積んだ木製船が置かれた空間で限りなく静止に近い時間の流れを感じたように思います。
伝統的なイメージが強い能登ですが、先の芸術祭では前衛的なインスタレーションなども行われていたよう。
ひっそり静かな街中に突然現れるアートは都心で見るのとはまた違った新鮮さがあります。
会期中に行ってみたかったなぁ、残念。



展示のある保育所は丘の上で、目の前はでっかく日本海です。
付近の交通量も少なく、ただ響く波の音に思いをはせてみたり。
こんな場所で育った子供は海の偉大さを感じつつ鷹揚に育つのかなぁ。
だって人生のどんな荒波もきっとこの海には敵わないもの。
ちなみにこの保育所、冬になると積雪で坂が上れなくなり閉鎖されるんだとか。
つくづく自然には敵わないのです。


斬新と言えば。
今回のと鉄道七尾線の能登中島駅にも少しだけ立寄りました。
観光列車の乗車駅ではありますが、地元の利用者はそれほど多くない古き良き時代のままストップウォッチを止めたような空間が広がる駅です。
あ、もちろん目的は観光列車のほうでしたが。





入口も待合室もザ・レトロ。
イメージするローカル線の駅そのものです。




しかしホームにはキャッチ―な萌えキャラが…。
看板と背景の彩度差がすごいです。




中島かき子さんと中島菜々子さん、覚えやすい名前!
古いままではなく、こうして新しいものを取り入れるのは素晴らしいことだと思います。
ジュエリーでもデザインや技法を継承していくだけでなく新しい試みも必要です。
ファッションのリバイバルも全く同じデザインということはないのです。
皆いっしょ。
能登は今を生きているんだなぁ。
me.ieも頑張らねば。
しみじみと感じ、ジュエリーに対する気持ち新たにした旅でした。



この度のナンバーワン飯の炙りのどぐろ丼。
肉厚の身に程よく脂がのって、噛むと出てくる甘みが絶品海の幸。
大変おいしゅうございました。

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